食品
乳酸やその塩類、アラニン等は、ほとんど全ての食品に常在成分として存在し、太古より人間が摂取し続けてきた物質です。
漬け物、味噌、醤油、チーズ、ヨーグルト、酒類などでは、微生物の作用を利用して乳酸を生成させることによって、風味、保存性などの特徴を持たせる技術が古くから発達してきました。
乳酸等の製造が工業として行われるようになった今日では、これらの発酵食品に限らず、さまざまな食品に乳酸や誘導体が利用されています。
pH調整剤
乳酸は不揮発性で高い静菌効果をもちます。そのため、食品用のpH調整剤として幅広く利用されています。発酵食品においては、雑菌汚染を抑制して酵母を健全に育成する為に発酵の初期段階において乳酸が使用されます。
小麦粉製品・米粉製品の品質改良剤
ステアロイル乳酸塩類(ベルフ、SSL-B)は、小麦粉の品質改良剤として開発された陰イオン性の乳化剤であり、欧米諸国を中心に食品用乳化剤として幅広く利用されています。
調味料・酸味料
旨味・酸味は、共に食品の味を決める重要な要素です。アラニンは魚介類をはじめとして多くの食品の旨味成分であり、他の旨味成分との相乗効果があります。また、酸味、塩味をまろやかにすることが知られています。