アラニンは、旨味と甘味を兼ね備えたアミノ酸です。食品中に多く含まれ、食品の旨味を決める成分の一つです。
また、他の調味料との相乗効果があり、食品の旨味が向上します。そのほか、過度の酸味、塩味、苦味等を低減するマスキング剤としての働きがあります。
近年では、生体内での糖新生や脂肪代謝の促進に利用されるアミノ酸としての認知度が高まり、スポーツニュートリション分野でも、疲労回復機能等の観点から高く評価されています。
アラニンは、旨味と甘味を兼ね備えたアミノ酸です。食品中に多く含まれ、食品の旨味を決める成分の一つです。
また、他の調味料との相乗効果があり、食品の旨味が向上します。そのほか、過度の酸味、塩味、苦味等を低減するマスキング剤としての働きがあります。
近年では、生体内での糖新生や脂肪代謝の促進に利用されるアミノ酸としての認知度が高まり、スポーツニュートリション分野でも、疲労回復機能等の観点から高く評価されています。
アラニンには、α―アラニン(アルファ アラニン)とβ―アラニン(ベータ アラニン)の構造異性体が存在します。
α―アラニンの示性式:CH3CH(NH2)COOH
β―アラニンの示性式:NH2C2H4COOH
アミノ酸の1種もしくは食品添加物として市場に広く知られているアラニンは、α-アラニンのことです。
βーアラニンは、αーアラニンの構造異性体で、2019年の食薬区分の改正により健康食品への利用が認められました。
2種のアラニンは、食味や生体内での役割が異なるといわれています。
当社では、αーアラニンを製造・販売しております。
α–アラニン(化学名:2ーアミノプロピオン酸)は、分子内にカルボキシル基とアミノ基を持つ炭素数3の中性のアミノ酸で、非必須アミノ酸です。分子内に不斉炭素があり、立体的に鏡像関係にあるLーアラニンとDーアラニンが存在します。
LーアラニンとDーアラニンの等量混合物であるDLーアラニン、ならびにLーアラニンは、食品添加物として使用が認められており、主に健康食品の分野で使用されています。
Dーアラニンは、これまで主に農薬や医薬品の合成原料として使用されてきました。加えて最近では、化粧品や食品への添加効果についてLーアラニンとは異なる生理活性が報告されています。
アラニン(L-アラニン、D-アラニンともに)は、多くのタンパク質の構成アミノ酸として自然界にも広く存在しています。また多くの食品にも含まれていることも知られ、美味で評判の枝豆・だだちゃ豆のうまみ成分の主要部を占めると言われています。
アラニンは桑の葉、絹、シジミにも多く含まれ、摂取することにより脂肪燃焼、肝機能改善効果が期待されるという報道が注目されました。
このような食品用途に加え、化粧品用途やめっき薬品としても新たな効果が見直されております。
1kg×20 段ボール箱 (内装ポリエチレン)、10kg 紙袋(内装ポリエチレン)、20kg 紙袋(内装ポリエチレン)、50kg ファイバードラム、500kg フレコンバック
ハラール認証、コーシャ認証を取得
DL-アラニンを食品添加物として使用する場合、その使用量・対象食品などの使用基準はございません。
使用した食品には、下記の例のような表示が必要です。
化学名・IUPAC名 | DL-アラニン |
---|---|
別名 | DL-2-アミノプロパン酸 |
CAS番号 | 302-72-7 |
化学式 | CH3CH(NH2)COOH |
構造式 | |
分子量 | 89.10 |
性状 | 白色結晶性粉末 |
融点 | 264~296℃(分解) |
溶解度 | 16.7g/100mL(25℃、水) |
等電点 | pI=6.00 (pKCOOH=2.34、pKNH2=9.69) |
*アラニンの詳細な有害性情報・物性データは、安全データシート(SDS)をご確認ください。
アラニン(DLーアラニン)
本品は、食品添加物「DLーアラニン」である。
1.性状 | 白色結晶性粉末で、甘味がある。 | |||
---|---|---|---|---|
2.確認試験 | 本品の赤外吸収スペクトルを参照スペクトルと比較するとき、同一波数のところに同様の強度の吸収を認める。 | |||
3.pH | 5.5 ~ 7.0 | |||
4.純度試験 | (1)溶状(1+10) | 無色澄明 | ||
(2)塩化物 | 0.021%以下 | |||
(3)鉛 | 2μg/g以下 | |||
(4)ヒ素 | 2.0μg/g以下 | |||
5.乾燥減量 | 0.30%以下 | |||
6.強熱残分 | 0.20%以下 | |||
7.含量 | 98.5~102.0%以下 |
食品、添加物等の規格基準「DLーアラニン」の項による。
食品 | 農産加工品(漬物等)、昆布類(塩昆布等)、魚醤、水産加工品(イカの塩辛等)、水産練り製品(蒲鉾等)、畜肉加工品(ハム等)、調味料(つゆ、たれ等)、スナック類、飲料 |
医薬・健康食品 | 医薬品の合成原料 |
化粧品 | 化粧品原料 |
工業用 | めっき薬品、飼料 |
アラニンの歴史的に最も古い使用例の一つは、合成酒への添加です。これにより、清酒と同様なコク味や丸味をつけていました。
現在では、漬物・つゆ・たれ・醤油・味噌・スープ・珍味・佃煮・ちくわ・蒲鉾などに幅広く使用され、これらの食品に旨味とコク味を持たせています。
アラニンは上品でさわやかな甘味で、砂糖よりも強い甘味を持ちます。
古くからサッカリンなどの人工甘味料の味質改善にも利用されていましたが、最近ではアスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース等の高甘味度甘味料の組み合わせやアラニンの配合比率などを種々に変える事で、対象食品に適した甘味料製剤を調製出来る事が判っています。
アラニンは、各種の味カドを取り除き、旨味を引き出します。
塩なれ効果
塩味の強さを和らげると同時に旨さを引き立てます。
酢なれ効果
pH等を大きく変化させずに酸味をマイルドにします。
その他の効果
苦味、渋み、エグ味などを和らげます(マスキング効果)。
アルコールは肝臓で分解され、二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドになります。
アセトアルデヒドを分解するには、肝グリコーゲンが必要ですが、アラニンはこの肝グリコーゲンの原料となり、アセトアルデヒドの分解作用を促進するといわれています。
近年、アラニンを含むアミノ酸類の肝機能改善に関する研究が行われています。
アラニンは、角質層に存在する天然保湿因子(NMF)の一つです。NMFの約40%が遊離のアミノ酸で構成されていますが、そのアミノ酸組成は、セリンが最も多く30%、次にグリシンの18%、次にアラニンの9%と成っています。アラニンを初めとするアミノ酸は角質層で高い保湿効果を持ち、また肌の表面がアルカリ性になるのを防ぐとともに、角質層のバリヤー機能を高めて、肌に潤いを与えています。
これらの働きを利用して、最近、各種アミノ酸は化粧水やシャンプーなどの分野にも幅広く応用されています。
アラニンは炭素数3の中性アミノ酸です。
※無電解めっき 基礎と応用 日刊工業新聞社
金属種 | アラニン | グリシン | 乳酸 | リンゴ酸 |
---|---|---|---|---|
Ag+ | 4.9 | 3.5 | – | – |
Cu2+ | 8.4 | 8.6 | – | – |
Ni2+ | 4.5 | 6.2 | 1.6 | 1.8 |
Zn2+ | 5.2 | 5.5 | 1.9 | 3.7 |
以上、めっき工程においてアラニンを使用することにより、様々なプラス効果が得られることが期待できます。
アラニンは魚介類や肉類等、様々な食品に含まれる旨味構成成分の一つです。
アラニン単独使用でも旨味を十分に呈し、旨味調味料としての存在意義を発揮できますが、他の旨味調味料との相乗効果により、旨味が増強します。
食品 | 含有量(mg) |
---|---|
かつおぶし | 4400 |
ほしのり | 4200 |
クルマエビ | 1100 |
鶏肉 | 830~1400 |
牛肉 | 720~1200 |
L-グルタミン酸Naは5’-グアニル酸Na等の核酸系呈味物質と相乗的な旨味の増強作用があります。
この2成分系にアラニンを共存させた場合は旨味に関して特異的な作用を示し、3成分のいずれかが閾値以下の濃度でも、旨味の相乗効果が顕著に現れます。
アラニンは食品の変色の原因の一つであるメイラード反応による褐変の少ないアミノ酸です。